男女に関係なく活躍できるジェンダーレス時代、暮らし方も柔軟に変わる。

履歴書に 男女を入れる項目がなくなる!そんな時代になってきました。
(性別欄廃止ニュース コクヨのニュース

仕事の職種も 男の仕事、女の仕事、と分けられる事が少なくなってきました。
日本社会ではまだまだ確立されていない概念のジェンダー(社会的性差)レスという考え方ですが 男らしさ女らしさをたたえる価値観は薄れ、男女に関係なく 個人を尊重する志向がより高まっていることは確かです。

女性の社会進出が当たり前になり 子育て世代の7割が共働きになってきた今、そしてコロナ禍で働き方がますます変わって来た今、家庭に於いても 男女の役割のあり方は 普通というものがなくなってきました。
これからは 男女という性別ではなく、ひとり1人を尊重した上で それぞれがどうしたいかがより大切になってきたのです。

『男子厨房に入らず』などということは もはや時代遅れも甚だしいと思っています。子育ても主婦に任せる時代ではないのです。
日々の子育てに関わる父親の姿は ごく普通であり 保育園の送り迎えも 今ではお父さんがとても多いですよね。

弊社は まだ女性が子育てをする事が当たり前だった時代に 女性建築士が子育てしながらも活躍できる様にと 女性が働きやすい会社として設立しました。
 しかし 今の子育て世代は 男女関係なく子育てをする様になりつつあります。
ですから 弊社の考え方も時代遅れになりつつあると最近は思っています。

男女の違いではなく 親としてそれぞれの得意な事を分かち合う事が好ましくなってきたのです。だから 暮らしを知り、暮らし方を考えて設計できる建築士として 男女関係なく 仕事ができる人を弊社は求めています。

働き方も変わりました。在宅勤務がスタンダードになり、副業も広がっています。
副業で自分の力をより活かしたいと思う人、本業をしながらも建築の世界に挑戦したいと思っている人、これからいろいろな可能性に挑戦したい人を 弊社も求めています。

時代はどんどん変化しています。今までの事も、これからの時代に求められているものも大切にしながら ひとり1人の暮らし方を考えながら 変化に対応して柔軟に暮らす「適応力ある住まい」を追求していきたいです。 

工事をしないという選択を勧めるわけ

週末の休日に 一昨日、リフォームの打ち合わせをしたお客様から電話がありました。
『何回も打ち合わせをしてきたのに申し訳ないけれども やはりリフォームはやめる事にします』
2日間じっくり考えた末に 覚悟を決めてかけてきた様子の口調でした。
私は正直言えば、その電話は 驚きもせず、かえってほっとしました。

実は 私は このお宅はリフォームをするべきではないと最初から思っていたからです。しかし、依頼者である70歳近いご夫婦は リフォームをする事が 今の生きがいであり、とても楽しみにしている事も分かっていたので 私から仕事を断る様な事は言わなかったのです。

それは 今まで すでに数社から『工事はできない』と断られていたにも関わらず どうしてもやりたいという依頼者の強い気持ちがあって 最後の望みを弊社に託してきた事を知っていたからです。依頼者自身が納得しない限り なんとしてもやりたいという諦められない状態にあったのです。

他の業者が断ってきた理由は すぐに分かりました。そのお宅は 言いにくいけれど 誰が見ても 本来ならば解体すべきくらいの年数が経った古い建物で、粗雑な作りでした。その上、素人による追加を重ねた違法増築がされていて どう手をつけたら良いか分からない程、とても危険な状態でもあったのです。ですから 工事をするとしても 高額な費用がかかり リフォームする意味があるとはとても思えませんでした。立て直した方がずっと安全で安心して暮らしていけるだろうと誰もが思う建物だったのです。しかし どの業者にも断られても あきらめずにリフォームを希望するには 何か理由や思いがあるからだと私はなんとなく考えました。

そこで いつも通り どのお客様にも質問するように これからの夢をお聞きして いろいろな問題点や実現の可能性を示し、費用についても一つ一つ丁寧に説明する事で 依頼者の本当の気持ちをずっと探るように考え続けました。

リフォームするという事は これからどう生きたいかという表れでもあります。
それは家の形をどうするかという事だけではなく
高額のお金をどう使うかという事でもあります。

ほとんどの人にとって 人生の中で一番高額な買物かもしれない家作りは
そこで暮らす家族の これからの人生を大きく変えていくものでもあるのです。

しかし 今回の依頼者は なぜか一次的な今だけの夢をリフォームにかけているように見え、先々のことまで考えてのこととは思えなかったのです。
歳を重ねてからの高額の出費は 余裕金でない限りは いかに有効に使うかをより熟慮してほしいと思ってしまいます。 
そこで 私自身が 依頼主がリフォームしない場合でも 考えられる生きがいある暮らしを勝手に想定して 今後のいろいろな可能性のフローチャートを考えることにしました。

そのようなことは 依頼者には全く話しませんが、お話を伺っている時々のタイミングを見ながら 少しずつフローチャートにそって話をしていきました。
どのご家庭にも その家族にしか分からない物語があります。そのほんの少しの部分を共有させていただきながら その方の本当の幸せを大切に思い 暮らしを一緒に考えていく事が 私のコンサルティングという仕事であり とても大切だと思っています。
今回の依頼者にも 予想を超えた家族の物語が多々ありました。
だからこそ、頼まれても工事をしないということが
依頼者の納得できる選択になることもある
のです。

住まいは生き方が表れます。
新築したり リフォームするという事は これからをどう生きるかという事の表れでもあるのです。

今回の依頼者が 今の家のリフォームを断念した事自体は良かったと思っていますが
現時点では これからの生きがいや楽しみがなくなってしまったのではないかと 今の私にはとても気になりました。
私の住まいのコンサルティングの仕事自体は終わりましたが 今回のご夫婦には
私の勝手に考えていたフローチャートの先を もう少し示したいと思っています。