物をたくさん持つ事にメリットはない!

住まいの設計をしていると 
必ず出てくるお客様自身の問題の一つとして 『物への執着』があります。
それは 新たな暮らしに必要な物は何かという事を考える時に表れます。
これからの未来の暮らしに持っていくものを 今までお持ちの物から選別して 過去の物にさよならをしてもらう必要が出てきます。
今までの生活をそのままを持っていくのではなく、これからはこんな暮らしがしたいと思って 必要な物だけを書き出してもらうと ご自身でも気づくのです。
自分が どんな物に囲まれて 暮らしていきたいかを考える良い機会になります。

ほとんどの家庭の場合、家が出来上がって引越しした時が 一番荷物が少なくなる時になります。
(引越し前に選別が出来なくて、とりあえず全部そのまま持ってくる家庭も たまにありますが…)
そして そこから物が増えないようにするためには 新たな物を買うならば何かを捨てる、という習慣を身に付けて欲しいものです。

かつての私の設計は 収納をたくさん作っていました。 
物を出さないでスッキリ暮らせることを大切にするために しまって置くところがいろいろ工夫された住まいを考えることを得意としていました。
そのことで評判が良くて噂が広がり 収納アイディアを求めて 設計依頼がどんどん増えた時がありました。しかし 今では あの頃思い付いた数々の収納アイディアに対して 後悔しているものも多々あります。
それは、設計した何軒かのお宅に 5年や10年経ってから伺った時に 共通した問題があることに気が付いたからです。

たっぷり作った収納が 日常でほとんど使われていないもので いっぱいになっていました。
使われていない物が何だったかさえ分からなくなった状況で 無駄な空間になっていたのです。特に残念な場合では 引越しした時のまま、一度も荷物を出さない場所になっていたお宅さえもありました。
収納が大きくて多い家は 暮らす事に必要のない物まで置ける場所となっていたのです。
それは 本当に良いことではありません。使わない物が捨てられない家になっているだけだからです。思い出だとか記念だとかいう言い訳と共に 不必要になったものが置ける場所と化していた収納のお宅を見て 改めて考えさせられました。

限られた収納しかない住まいの場合は 本当に必要な物だけを置くことを考えます。
一つ一つのスペースが有効に活用されていくのです。

設計上で収納を多くすると 費用が掛かる場合がほとんどです。
その制作費用や一坪あたりの家の価格的な価値を計算して考えて欲しいです。

例えば そこに掛かった費用が建物全体の価値も考えて 1坪200万円だとしたら
それだけの価値と利用する意味がある物のための収納になっているかを考えて欲しいのです。もしも不必要になったものの置き場になるならば 収納を作る意味はありません。



何を残して何を捨てるかは、人生設計そのもの

精神論的になりますが…
年齢に関係なく、人生はいつ終わるかは分かりません。
やりたい事はいろいろあっても やっておかなければいけない事もあります。
何年も使わない物や いつか使うかもと思っているだけの物を 収納にしまうことはやめましょう!

自分に もしもの事があった時、自分の後片付けや 自分しか分からない事で、
家族や身近な人の時間をたくさん使わせる事にならないようにしましょう!
そう思うと 出来るだけ 必要以上の物を持つことをやめようと思いませんか?
自分で処分できるうちに処分するものはしておきたいですね。

限られた人生を 心豊かに生きるために 年齢に関係なく エンディングノートではなく  物・心・情報を書き留めておくための『自分ノート』や『エターナルノート』を書いておくこともお勧めです。自分自身のためであり、もしもの時のためにもなるからです。
そして これからの自分に 本当に必要なものは何かが 見えてくるからです。そうすると 必要以上に物を持たなくても良いことに気づくのではないでしょうか!

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