子育て世代の暮らし方を日々考えている建築士です。
私自身はシニア世代ですが
孫と同居して暮らしているから 日々いろいろ感じています。
先日、朝早く 私の娘(孫の母親)は
WHO(世界保健機構)の仕事で 海外出張に出かけました。
5歳と8歳になる男児の孫たちは またママがいない生活がしばらく始まりました。
子どもたちにとって このような親のいない生活は 親が離婚してから もう4年になりました。そして 私も祖母として孫の全てのことに関わる日常生活と 自分自身の仕事で 多忙な日々を送ることにも かなり慣れてきました。
娘はシングルマザーになってから パートナーに遠慮することもなくなり 自分がやりたい仕事を伸び伸びできるようになった反面、子どもとの時間が限られてしまうことを ずっと迷いながら仕事をしています。
現在 感染症の仕事をメインにしている医師である娘にとって この予想外のコロナ禍で 人生が大きく変わりました。本当は もっともっと子どもとの時間が作れるはずだと思っていたからです。
しかし 娘は 国の責任ある仕事をする立場になって 優先順位を選択することになった時に 自分の子どものことは私の多大な協力を得られることも考慮した上で 多くの人の役に立つやりがいある使命を選びました。 私自身も 娘の立場を理解して できる限りの応援することにしました。
それからもコロナ状況は終わることなく 丸3年以上続いています。
私自身も 歳を重ねてきて 応援しつつも体力的に辛さを感じることも多くなりました。
なにしろ やんちゃな男児二人、自由気ままに育っているのですから 小さな問題ならば常におきています。
そこで私自身も いかに手を掛けずに 孫育てができるかを より考えるようになりました。
私も 働きながら我が子たちを育ててきた経験はありますが 時代は変わりました。
今の子どもに求められるものを しっかり考えながら 孫を育てていこうと思っています。
もちろん どんな経験をさせたいか、どんな大人になって欲しいか等は まずは親が考えることです。
祖母である私は あくまでもサポートです。
しかし サポートの仕方も 親が考えていることに準じることが大切です。
だからこそ 今の働きながら子育てをしている人のためが求めるものを 形にしていきたいのです。
親が忙しく働いているときは 子どもは寂しさを我慢しています。
特に海外出張のような何日も親と会えなくなる時は 言葉にしなくても 子どもがじっと耐えていることは分かります。しかし そういう経験も大切です。
そんな時だからこそ 忍耐力、人に頼ること、自分の安心できる居場所、簡単な食事は作れることなど 日常とは異なる時の「生きていく心構え」を教えておきたいと思いました。
親が常にそばにいなくても 子どもが安心して自立できる環境を整える。
家庭の中でできる環境を整えておくことです。
子どもにとっては 毎日が新しい学習です。
あらゆる場面が学習です。
生活という日常で経験することを ひとつひとつもっと大切に考えて欲しいですね。
毎日の暮らしを有意義にするために ソフト面でできること(声掛け・話題等)や ハード面でできること(置いておく家具や動線、収納、自然とのかかわり等) 暮らしの周りに付いてくるものすべてを 常に考えていたいものです。
だから 子育て世代にとって『住まいは教育』なのです。
住まいの中に当たり前にあるものを 一つ一つ再考しながら
必要な形にして これからも提供していきたいと思っています。