「自立の方でも 介護が必要な方でも
アクティブな暮らしをもう一度実現しよう〜」
そんなキャッチコピーの住宅型有料老人ホームの広告があった!
老後を考えての住み替え場所に
有料老人ホームと言う選択肢がある。
老人ホームらしくではなく
まるでマンションのような
ホテルのような暮らし、そんな有料老人ホーム!
健康への未病プログラムも付いていて
コンシェルジュまでいる。
本当に至れり尽くせりの優雅な暮らしが想像できる!
その上 学ぶこと、ときめくこと、新しい自分に出会う喜びがあります!との事。
「大切な家族の一員であるペットも連れてきていいのです」と言う!
夫婦だけだったら 約60平米位の部屋があって〜
都会から離れた景色も抜群!
そんな老人ホームならば 安心かと思う人は多いのだろう。
この老人ホームに入るためには
いくらお金があればよいのだろう?
「そう、自分の家を売れば買えるはずね、
夫婦2人だけの生活だし ちょっと体が不自由になってきたので
これ以上、夫にも子どもにも迷惑をかけたくないわ。
この海が見える素晴らしいところに2人で入りましょう!」
そう妻が言って ご夫婦は自宅を売って
高級な格式ある有料老人ホームに入った。
まだ充分自立ができている人だったけれども
もしも介護が必要になったときの先々のことまで
考えて入ったのだけれども
あれから3年、思ってもみない状況になってきた。
夫婦は やがて妻が他界して
夫だけのお一人様生活になった。
夫は何でも施設に頼めば やってもらえる受身の生活に慣れてしまい
コーヒー一つ自分で入れられなくなっていた。
景色は良いけど〜
働き盛りの子ども家族が来るには
遠い場所だった。
すっかり孫にも会わなくなった。
たまに来る親族や友人も
お客様みたいな感じになってきて
長居はしないで帰って行く。
老人ホームなので、建物の中は
どこを見ても 老人ばかり!
同じメンバーが 毎日同じ場所の椅子に座って
同じ様な内容のテレビを見ている。
異世代の自然な交流は全く無い!
気がつけば 毎日単純な生活で
自分から外出する元気も意欲もなくなってきていた。
久しぶりにきたわが子が 異変に気付き 病院へ連れていった。
健常者だったはずが いつの間にか 認知症になっていた。
人によっては こんな可能性があることは
入居前に考えれば想像がつくのだが
現実を見てから知るまでは 中々気がつかないものなのである。
私は 同じように
私がリフォームしたお宅のお客様に
良かれと思って 老人ホーム入居のために
ご自宅を売却するお手伝いまでしてしまったことがある。
身体が元気なうちから
至れりつくせりの生活をさせてしまった。
ご家族が決めたことですが
老人しかいない老人ホームにいれてしまった。
人は いろいろな世代と
コミュニケーションを取る必要があると分かっていたのに・・・
人は いくつになっても
生きがいを求めていると分かっていたのに・・・
だから 今の私は
まずは「家開き」という
自宅から始められる老後の準備から考えてもらっている!